Microsoft Power Automate DesktopはRPAの主役となるか

RPA

Power Automate Desktopがリリース

「Power Automate Desktop」は、人が行っている定型業務を自動で業務してくれるRPAツールの中の1つで、3月3日(日本時間)にマイクロソフトが、Windows 10ユーザーは追加費用無しで利用できる無償のRPAツールとしてリリースしました。

 

Windows 10を利用してるユーザーはダウンロードし、ユーザー登録をするだけで利用ができるようになり、会社で自分が定型業務をしている業務をRPAが肩代わりして作業することが可能になりました。

 

例えば、以下のような「取得」や「転記」を繰り返す業務をRPAにやらせることで、人間は集中力が切れて間違えてしまうようなミスもなく、一定の作業スピードで早く終わらせることができるようになります。

  1. ブラウザを起動する
  2. ブラウザから基幹管理システムを立ち上げる
  3. 基幹管理システムから、売上データを取得し、Excelに書き出す(延々繰り返す)
  4. Excelを保存する

私も、会社の個人PCに「Power Automate Desktop」を入れ、一定業務を「Power Automate Desktop」にやらせることで、少なくとも3倍以上の高速化ができています。

 

しかし、無償で提供していることもあって自動実行といった機能は使えませんが、それ以上にメリットが大きいので毎日定型業務を行っている方は、一度は利用を検討してみてはいかがでしょうか。めっちゃ便利です。

 

Power Automate Desktopが登場して

RPAはいろいろなツールが登場していますが、よく聞く代表的なソフトとしては以下があります。

  • UiPath

  • WinActor
  • Automation Anywhere

これらのツールは機能が豊富ですが、高額の費用がかかるため、個人で利用したくても費用効果を考えないといけないため、利用を諦めることになります。

 

次に、低額で利用できるRPAやフリーのRPAの利用を検討することになりますが、残念ながらどのRPAも決め手に欠けている状況で、やはりRPAを使わず効率よく業務していった方が多いのではないかと思います。私もそうでした。

 

その中で、Windows10ユーザーが無償で利用できる「Power Automate Desktop」がリリースしたのはRPA界にとっては、大きな衝撃で、RPA界の勢力が塗り替わる可能性がありそうです。

 

フリーのRPAツールについては以下で簡単に記事にしています。

あわせて読みたい記事

みなさん、お疲れさまです。ここを訪問していただき、ありがとうございます。 ここは、商用でも使えるフリーのRPAを紹介したいと思います。ここを訪問したのは、コストを削減したい、仕事を楽にしたい、手でやるのが面倒くさいからPC[…]

 

私の定型業務は、個人の定型業務しかありませんが、「Power Automate Desktop」を利用することで、業務を高速に処理してくれます。私はディスプレイを眺めるだけです。

Power Automate Desktopで何ができるか

「Power Automate Desktop」は有償のRPAに劣らず豊富な機能があります。

無償で利用できる主な機能としては、マイクロソフトのサイトを確認すると主に2つの機能が利用可能です。

  • デスクトップとWebの操作を単一のフローで記録する
    デスクトップ レコーダーと Web レコーダーを使用してフローを構築し、Web やデスクトップから記録した操作をリアルタイムで編集する
  • ドラッグアンドドロップのデザイン機能で簡単に自動化する
    デスクトップ レコーダーと Web レコーダーを使用して自動化の中核ロジックをキャプチャし、ビジュアル デザイン機能で論理的にフローを調整する。

 

「デスクトップとWebの操作を単一のフローで記録する」は、初めて「Power Automate Desktop」を利用する場合、どう組み立てたらよいのかわからない場合に利用します。

まずは、レコーダーを使ってブラウザやExcelを起動したりすることで、どういうフローが構築されていくかを知るとよいかもしれません。フローの中身がわかるようになると、レコーダーに頼らないフローを作成することができるようになります。

 

「ドラッグアンドドロップのデザイン機能で簡単に自動化」は、プログラミング経験が浅いまたは未経験の方は、ありがたい機能です。

日本語で視覚的に作成できるため、フローチャートを知っていれば、後は慣れるだけで作れるようになります。細かいアクションを覚える必要はなく、どこにこういったアクションがあるとわかれば十分です。

Power Automate Desktopが主役になるか

「Power Automate Desktop」が登場することで、Officeなどで利用されるVBAはどうなってしまうのでしょうか。結論から言うと、1993年から続いているVBAがなくなるのは、考えづらいです。

COBOLの需要も20年前からなくなると言われ続けていますが、今もCOBOLの需要があるので、VBAも同様に需要は続くと思います。

 

私はVBAをよく使いますが、「Power Automate Desktop」が登場してからもVBAを使っています。

「Power Automate Desktop」を使いこなしていないからかもしれませんが、VBAができることは「Power Automate Desktop」もできるとは考えていません。

「Power Automate Desktop」はAccessの機能を簡単に扱えないので、例えばVBAでAccessの機能を一通り実行し、VBAで実行できない箇所は「Power Automate Desktop」が代わりに実行するといった方法が考えられます。

 

マイクロソフトがVBAを捨てるとは思えないですが、オープンソースのPower FXが登場しているため、Excelの代替えになる可能性も捨てきれません。

VBAはコード、「Power FX」はローコード、「Power Automate Desktop」はノーコードというような棲み分けができ、VBAは高速処理、Power FXは中速処理、ノーコードは低速処理といった感じになるのではと思ったりします。

「Power Automate Desktop」はノーコードなので、学習が容易でコストもかかりません。

 

定型業務が多い部門なら、定型業務をいくつかに分担して、「Power Automate Desktop」にやらせることでRPAの主役になる可能性があります。

「Power Automate Desktop」を駆使し、多くの定型業務をRPAにやらせて多くの時間を生み、新しい業務を作ることで、企業にとって必要不可欠な人材になりましょう。